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アートが引き出す 子どもたちの可能性 〜大切なひとのために作る服〜

放課後等デイサービス「パントーン・フューチャー・スクール」に通う、小学2年生から5年生の児童8名と津野氏による『大切な人のためにつくる服』をテーマにした合同作品。子ども達が想い浮かべる、お母さん、アイドル、ペットのカメなど様々な大切な人に来てもらいたい服を、子ども達の「やってみたい!」という気持ちを大切に、共に探求しながら作品を制作。
今回の展示では、子ども達が作った服を着た「大切に想われている人達」が集う様子を、作品の制作空間の再現とともに表現。

作品紹介

作家名

津野青嵐

作品タイトル

大切たいせつひとのためのふくつくろう

制作年

2023

素材

ミクストメディア(デニム、机、椅子、PLAフィラメント[3Dペン]、アクリル絵の具、クレヨン、アクリルラッカー[スプレー]、油性マーカー、ポスターカラー、糸、紙、キャンバスほか)

作品紹介

「大切な人のための服を作ろう!」をテーマに、放課後等デイサービス〈パントーン・フューチャー・スクール〉に通う小学2年生から5年生の児童8名と合同で制作したインスタレーション作品。


アーティスト
Photo:Kohei Shikama

津野 ⻘嵐 | ツノ セイラン

1990年生まれ。看護大学を卒業後、精神科病院で約5年間勤務。病院勤務と並行して「coconogacco(ここのがっこう)」で学ぶ。2018年、欧州最大のファッションコンペティション“International Talent Support” にて日本人唯一のファイナリストに選出され、3Dペンで作った服が注目される。2019年10月より“当事者研究”発祥の地である北海道“浦河べてるの家”(精神障害当事者等の地域活動拠点)へ勤務。2021年10月より東京工業大学修士課程入学。伊藤亜紗教授の研究室で学びながら、「ファット」な身体との付き合い方を、衣服の共同制作を通して研究中。https://www.instagram.com/seirantsuno/

パントーン・フューチャー・スクール

発達に遅れや不安のある小学生から高校生までのお子さんを対象とした、放課後等デイサービス。子どもたちひとり一人の『できる』を育み、そして伸ばしていくことを願いとしている。経験や交流を通じて将来の自立や就労に向けたステップアップに繋げていけるような環境を提供。http://pantone-fs.com/


メッセージ

パントーンフューチャースクールの8人の子どもたちと共に「大切な人のために服を作ってみよう!」というテーマで、3日間のワークショップを行いました。子どもたちが教えてくれた大切な人々は、お母さん、アイドル、ペットのカメなど様々です。服作りの素材には癒toRi18で加工されたデニムを使用しています。決まった方法が無い中で、それぞれ大切な人の身になったつもりで考え、豊かな発想で作られていく服たちは、私たちの想像を遥かに超えたものになりました。そして、子どもたちの「やってみたい!」を同じ目線で支え、共に楽しみ試行錯誤する職員の方々や企画関係者たちの、優しく暖かな関わりも印象的でした。そんな誰もが誰かを大切に想う空間の中で、8着のとっても素敵な服が生まれました。支援する/されるという関係ではなく、答えの無いものを同じ目線で共に探求していく関係が作る空間の中に、福祉やアートという言葉だけでは語りきれない面白さがあると感じています。今回の展示では、子どもたちが作った服を着た「大切に想われている人たち」が集う様子を想像しながら、制作空間の再現とともに表現する予定です。

多くの人々の手によって大切に守られ続けてきたこの倉敷美観区でこの様な展示の機会をいただき、とても嬉しく光栄に思います。今回の企画にご協力いただいた、全ての皆様に心より感謝申し上げます。


会場

展示会場:倉敷物語館
住所:倉敷市阿知2丁目23-18